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-イデアと仮想-


今回のTriいろいろ考えてみましたが、原点に戻って、ここでは冒頭のナレーションが
何かのヒントになっているのではないか??という視点で再度考えてみました。


「元始。宇宙には魂の無い作り手デミウルゴスと、世界の真の姿であるイデア。
混沌として形を持たない魂のみがあった。
デミウルゴスは自らを生み出しし存在を知らず、魂を知らず、イデアを知らず。
祖が生み出しし世界は真の世界の影にすぎず」
(デジモンアドベンチャーTri.第1章再会のナレーションより)


これはメイクーモンのデジタマがが出来るシーンでの文言なので、おそらくメイクーモン関連の何かを
意味する事なのでしょう。 デミウルゴス=メイクーモンとするならば、「メイクーモンは自らを生み出しし
存在を知らず、 魂を知らず、真の姿(自分がアポカリモンであるという事)を知らず」といった感じでしょうか?

さて、イデア論というのはこの冒頭だけで取り上げられているのか??と思ったのですが、 よくよく見てみると、
物語全体にちょくちょく関連するワードが出てきているようです。 そこで、ここで純粋に、イデアとデミウルゴスという点にも注目していきたいと思います。

例えば、イデア論の
●三角形のイデアの例をあらゆる物体や概念に対して適用すると、
『現実世界において、まったくの矛盾がなく、完全に○○である、ということはありえない』
→2章での森羅万象は表裏一体という文・5章でのホメオスタシスの行動・オレたちの敵は誰なんだ?等

●我々のプシュケー(魂)というのは不滅であって輪廻転生を繰り返しており、 もともとは霊界にいてそこで
イデアを見ていたのであって、こちらの世界へと来る時にそれを忘れてしまったが、 こちらの世界で肉体を使い
不完全な像を見ることによりイデアを思い出しているのだ、それが学習という。
→忘れているという点に関して3章のリブート・リブート後の4章

●「無知の知」プラトンの師ソクラティスの考え。人々に無知であるということを自覚させ、また、知に向かって
努力をすることの大切さを伝えようとした。
→これは自分が何も知らない・何もできないと認める事。そういう風に理解している方が賢い問う意味です。
3章の光子郎のシーン。

と、概要だけ見てみても、一応それっぽいのがあるみたいですね。
そうなるとイデアやデミウルゴスと言ったものが、やはりこのTri全体の元であり構成を解く鍵の様にも
思えたわけです。 イデア論では、現実世界に存在する物体や概念はすべて影であり、真実はイデアは天上界にあると考える。 つまり今自分達が見ているのは「影である」=虚像ですね。 デミウルゴスはイデアの世界を真似して
世界を作ったとあります =デミウルゴスが『人間界を真似して作られたデジタルワールド』の事ではなく、
『デジタルワールド自体を真似した世界(デジタルワールドのコピー)』の事 だったとしたらどうでしょう??

そもそも太一達や視聴者が、ここが1999-2002年時のデジタルワールドだと認識する要素ってなんでしょう??
デジモンが生息する+自分達が過去で見たことある風景過去の記憶なんだと思います。

更に、先ほど取り上げたイデア論の一説の中に
「我々のプシュケー(魂)というのはもともとは霊界にいてそこでイデアを見ていたのであって、
こちらの世界へと来る時にそれを忘れてしまったが、こちらの世界で肉体を使い不完全な像を見ることにより
イデアを思い出しているのだ 」という一文があります。

このTriの世界。皆さんも感じているように所々に違和感があります。 例えばアグモンの「食いしん坊キャラ」

あのキャラが、無印ではなく新シリーズのアグモンとしての性格なら、今回はこういうキャラのアグモンなんだ
として認識できます。 しかし、無印アグモンということで見てしまうと視聴者は違和感を感じるわけです。
これはつまり真のアグモン(イデア)を視聴者は知っているから、おかしいと感じる。他の違和感も無印・02の流れを知っているから疑問に思うんです。

可能性は非常に低いですが仮に、このアグモンのキャラを製作者側が意図的に作っているのであればどうでしょう?
不完全な(少々違和感のあるアグモン)を見る事でイデア(無印のアグモン)を思い出している。
つまり違和感を感じる事で、この世界は現実ではないのでは?と思わせる仕掛け。
(ある意味べリアルヴァンデモンのマインドイリュージョンみたいですね)

そう、Triは視聴者をも巻き込んだ壮大なデミウルゴスの世界を見せられているのではないでしょうか???

もちろん6章ラストで1章冒頭の太一が目覚めるシーン=夢落ちではきっと終わらないと思いますがね。



さて、もしこの世界が現実ではない世界だとしたら、 何故真似した世界を作る必要があるのでしょう??
今回は様々な矛盾の多いホメオスタシスが、真似した世界を作ったとして理由を考えてみました。

  • 仮説1:シミュレーション説


    仮説1はストレートに「2という未知のデータの対策が今現在ないメイクーモンの暴走を止めるため、
    シミュレーションを行って対策を模索している」という事です。

    これは2002年以降メイクーモンの異変に気付いたものの、2への対策が見つからなかった。
    しかし時は待ってはくれません。 そこで、デジモンクロニクルの事象ではありませんが、仮想空間(別サーバ)に現在のDWのコピーを作り設置することで、 大元のOSを2の影響から遠ざける。(一時的な時間稼ぎ)

    その仮想空間を使いメイクーモンの感染シュミレーションを行う事で、対処法を見つけだそうとしたのではないでしょうか?

    ただ、現実世界の影響は現実か??という所ですが、これはTri制作決定当初の 「世界が選んだ現実と、
    選んではいけない未来」という文言から5章までは現実ではないと思われます。
    (つまり太一達が見ていた現実世界もホメオスタシスが見せていたシミュレーションの世界)




    個人的にはイデア論ではありませんが、「胡蝶の夢」から・・
    実は当初から、どこかの段階(3章辺り)で1章冒頭の太一がヒカリに起こされるシーンに戻るのではないか???とずっと考えてました。 つまり今まで現実だと思って見せられていたのは夢=おそらくホメオスタシスが
    シミュレーションした世界を太一に夢という形で見せていた。 太一は最初夢の出来事と思っているが、
    再度1章が始まる。そのうち夢と同じ事が全て起こっている事に気づく。

    ヤマトの「太一は忘れたのか?」 とかはそういう事に気づく為のセリフにもなっていたとかとか・・
    ここから5章までの最悪の結果を選ばないために動いていく。ストーリみたいな・・・

    3章のリブートを起こす前に別の可能性を選択。ラグエルモンではなく、ラジエルモンの進化ルートでHappyEndという話。 パートナー達が記憶を無くしていたのは現実じゃないので
    現実のアグモン達はリブートの影響を受けていないというしくみ。

    これだとHappyEndとなる6章で見せられた世界は、5章までを見せられた太一を使った場合のシミュレーション上の成功例の世界なのか? それともシミュレーションではない本当の現実の世界での出来事だったのか??みたいな 「現実と非現実が分からなくなる」ような作りとなりそうですね。

    ただ、正直5章まで終わってるので、これはないかな??とか思います・・
    3章くらいで太一が崖から落ちて終了4章へ~みたいな展開で終わったなら4章冒頭で1章へ~って展開も
    面白そうではありましたが・・
    ※時間だけ戻したいなら回りくどいコトせずミレニアモン出しちゃえ!って意見にはなりそうですけどね
    (苦笑)

    ただ、そうなると現実の未来は違う展開を見せるわけですので、5章までの子供達の葛藤や成長は全部なかった事になってしまいます。

    とはいえ近年普及している「仮想サーバを活用した光子郎のシーン」や「イデア(真の世界)・デミウルゴス(作られた不完全な世界)」・「選んではいけない未来」 といったキーワードを見ると、危機対策として別サーバを利用した『シミュレーション対策』ってのもあったりするのかな?と思ったわけです。



  • 仮説2:ホメオスタシスの試練


    ここで注目するポイントは、現在デジモンをパートナーに持つ人間というのは「選ばれし子供達・
    パートナーデジモンを持つ子供達」であるということ。

    そう・・つまり、今まで選ばれた時点の年齢で、「大人だった人間」はいるのか?という点です。
    (太一なら選ばれた時点1999年の年齢は10-11歳)

    ただ、正直大人と子供の線引きをどこで行うか?というのは非常に難しいのですね。なので今回は一応
    20歳以上&学生ではない=大人という所で考えていきます。

    ここで真っ先に及川の事を頭に浮かべると思いますが、彼に関しては無理やりDWに行きピピモンと
    偶然出会ったため、 正式に選ばれたというわけではないと考え今回は「例外」としておきます。

    さて、2028年までには全人類にパートナーデジモンが存在することになりますが、今まで大人にパートナー
    デジモンが存在した事例はアニメでは出てきていません。 (厳密には20歳超えてる人で1人いるのですが・・)
    もしこれが本当に事実なら何故、大人にはパートナーデジモンは現れていないのでしょう?

    思うに大人では、デジモンを悪用する危険がまだ高いと判断されているから、ホメオスタシスが意図的に
    選ばないようにしているのかもしれません。(及川の様に知識があってその気になれば、デジモンを作れてしまう力があるという事実もあります・・)

    無印45話で「俺達を選んだのは・・あんたたちなのか?」 という太一の質問に対してYESと答えていることから少なくとも選ぶ権限はホメオスタシスにあるようですし。

    しかし、2005年の段階でパートナーデジモンを持つ人間の数は1022~2048人は存在するはずです。
    選ばれし子供達の増え方(可能性計算)を参照
    これが進めば近い将来、大人とも繋がりを持つデジモン達がDWに現れ始めてくるに違いありません。
    だからこそ、ここに来て果たして大人にデジモンを持たせていいのかどうか??というこの判断が迫られて
    いたのではないでしょうか??

    つまり、今回の一連の件は、大人にデジモンを持たせていいのかどうかを見極めるための
    「ホメオスタシスから人類へ試練」だった可能性です。

    Triでは『大人になる』『子供のままじゃいられない』『大人になると見えなくなるもの・見えてくるもの』
    など大人と子供について対比して描かれるシーンが多くあります。

    太一達は大人と子供の狭間です。味方だと思っていたホメオスタシスも自分の仲間の芽心とメイクーモンを排除する敵となってしまいます。 5章でのホメオスタシスは世界を救うために犠牲はつきものだ。人材をコマのように簡単に使い切り捨てる。といったような行動はどちらかと言えば、大人側の行動だと感じられます。

    自分が悪なのか正義なのか分からなくなる状況や、ホメオスタシスの行動を目の前にして 太一達とアグモン達はどう共存し、行動するのか?という事をホメオスタシスに見極められてるのではないでしょうか?

    正しいか正しくないかなんて関係ない!オレはナカマを守るために~

    「どんな状況でも自分を貫きパートナーと共に生きる事」これが今回の答えなんではないかと思います。
    でもこれ面白いのはホメオスタシスはホメオスタシスでDWや世界の安定を守るために戦ってるんですよね。 お互い正義だし、見方を変えればそれは光にも闇にも見える。

    そして、太一達はメイクーモンにかつて自分達が戦ったラスボスのデータが入ってるって知らずに守ってるのが皮肉だったり・・ 情報を知るのと知らないのではこうも見方が変わってくるのかと考えると、非常に不思議な話です。

    仮に芽心の存在を知る前に、メイクーモンがアポカリモンのデータを内包するデジモンだと知らされていたら、太一達の行動も180°変わっていたかもしれません。 果たして太一達がメイクーモンの正体を知らされる時は来るのでしょうか??

    さて、この場合 1999年から芽心の元にメイクーモンを行かせたのは、子供とパートナーの絆が強くなっているなかで、自分のパートナーが悪と知った時どうするか?という点を試されているのかと・・

    西島&姫川に関しては、かつて選ばれし子供だったが、大人になった立場としてどう行動するのか?という点ですね。 だからこそハックモンは西島にのみコンタクトを取り、その情報を知ってどう行動するのかを試していたんだと思います。 世界を救うために子供達にウソの情報を与えるのか?それとも子供達と一緒に世界や運命にあらがうのか?という点。 姫川の場合は完全に闇側についてしまいましたけどね・・

    もし、ホメオスタシスの試練のシナリオによって進んでいるとするならば、ホメオスタシス自身の見通しの
    甘さ等様々な矛盾は問題なくなります。
    そして、今現在のDWやアグモン達は真のDWのコピーなので、リブートしても本当のDWに影響はない。本当のアグモン達にもリブートの影響は出ません。

    とはいえ、リブートしたり感染したり・・試練としてはずいぶんと大がかりで5章のラストの謎の生物等の展開が起こっててコレが本当にホメオスタシスの試練か?? と考えるとやりすぎだよな・・と・・

    更に、DWは本当のDWのコピーを使っていたから影響ないとしても、現実世界で起きた事件に関しては、実際に起こっている事だとしたら、人類はコレがきっかけでデジモン=危険な物と判断し、共生に至る為のタイムロスになってしまう可能性もあるんですよね・・

    ただ、色んな意味で今まで子供しか選ばれなかった理由を考えると、DWの世界が安定し自分の意思でゲートを開くことの出来るD3を持つ子供達が増えてきた今 (第50話で暗黒の種のコピーを植えられた子供達にパートナーデジモンが出現した際のデジヴァイスの形がD3だったことから、大輔代以降の子供達のデジヴァイスは全てD3であると推測。)

    どこかの段階でホメオスタシスが人間がデジモンにとって本当に害を及ぼす存在か否か?を見極める時ってのは少なからずあるのかな??とは思います。

    ちなみに補足として、テレビシリーズ以外も含め(ドラマCD等)本当に今まで大人の段階で選ばれた事例は本当にないのか??と考えてみたら・・

    ・本宮ジュン・井ノ上百恵(2003年時点17-18歳)
    ・井ノ上千鶴(2003年時点14-15歳)
    ・城戸シュウ(1999年時点で高校3年生と判明してましたので、2003年時点は20-21歳)

    という事で年齢としてはシュウが2003年3月に選ばれたので大学3年 20歳超えちゃってました。
    まぁ、学生である=ギリギリ大人じゃないって事かな??(ちょっと強引ですな・・)





  • ただ、この2つの説だとそもそもホメオスタシスが、02組を外す意図の説明が付かない等やはりきれいに
    収まらないこともありますね(゚Д゚;≡;゚Д゚)
    折角1年あるので、じっくりシナリオ制作してもらって、謎がすべて明かされるような壮大で爽快なストーリーが
    出来てくれることを期待したいです!
    とはいえアフレコ終わってるとか?らしいので・・果たして真実はどうなるのか・・・




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